桐谷農園その2

2012.06.01

 2005年7月号のコラムは「桐谷農園」だった。NPO法人アイ・フィール・ファインの会員達が、2005年から桐谷の村のみなさんの協力のもと、手作り・無農薬・天日干しの稲作に挑戦していて、ホームページ桐谷農園(富山市八尾町・桐谷集落 「有機農業の里づくり」モデルプロジェクト)には、以下のように記されている。

桐谷農園

 アイ・フィール・ファインは、「高齢者が健康で自立した生活を送れる環境と仕組みを提供すること」を目標に、2004年10月に富山市の有志で立ち上げたNPO法人です。
 「終(つい)の住処」を考える中で、「自然」と「様々な世代が支え合い協力し合って暮らす」その二つがとても重要なテーマとして浮上してきました。
 そこで、自然溢れる里山・桐谷に農地を借りて体験農園を始めました。
 NPO法人 アイ・フィール・ファインが活動の一環として取り組んでいるのが、越中八尾スロータウン特区を活用して、八尾町桐谷地内での無農薬有機栽培による米作りです。
手植えによる田植えから、人力での除草、手刈りによる稲刈り、はさ掛けによる自然乾燥など昔ながらの農法で、無農薬有機栽培を実践しています。また、米作り以外でも、野菜やそばを栽培しています。

草刈
田植え

米ぬかペレット散布 8年目の今年の田植えは総勢30名で9時から3時間行われたが、高岡にあるパーソナルトレーニングジムの若者たち(4月に桐谷部落の江浚いや苗圃場作りに加勢してくれている)の参加もあり、2005年の田植えよりずいぶん活気があふれていた。田植えが終わってからは食事会。ドームのデッキ下で、(株)シムコが桐谷の近くの小井波にある八尾育種改良センターで生産する旨い豚肉と、どこから手に入れたものかイノシシの肉でのバーベキューを堪能。昨年収穫したもち米を使ってのわさびもちと大根おろしもちも美味しかった。ミツバチの巣箱から蜂蜜を搾る実演も行われ、出来立ての蜂蜜に舌鼓を打った。研修棟では手打ち蕎麦が振舞われ、参加者一同「美味しい!!」の連発だった。

米ぬかペレット散布


 食事が終わりH理事長から、福島の子どもたちを富山に呼んでドームで過させたいと計画している人として紹介されたのが、蜂蜜を搾ってくれた本間さんであった。9年前に脱サラして蜂蜜の販売を始めたが、お客さんに安全な蜂蜜を提供するには、自分でミツバチを育てるところからやらないといけないと思って実践している人だ。昨年の東日本大震災に対して当社がした支援は、すぐに義援金を贈ったことと、原発事故で福島県の楢葉町の住民が避難しているホテルに泊まった会津若松への社員旅行くらいである。他にできることは無いかと思っていたので、原発事故のために福島の小中学校などで屋外活動を制限されたというニュースや、未だに避難解除されていない村があることなどを思い、ドームで子どもたちを受け入れすることはささやかな支援になるだろうと思った。またパーソナルトレーニングジムのアスリートも、八尾で生活基盤を作りたいがなかなか仕事が見つからない、相談に乗って欲しいとfacebookで私にメールしてきた。
新たな課題にチャレンジすることにもなった桐谷での8年ぶりの田植えであった。

ドーム下でのバーベキュー
桐谷農園の看板
蜂蜜を搾ってくれた本間さん
蜂蜜搾り
蜂蜜搾り