2015.10.27

経営理念の刷新

8月から毎月3回各回3時間ほどの時間をかけて、コンサルティング会社の(株)タナベ経営指導の下に、「経営理念・ビジョン作り込みプロジェクト会議」を行ってきて、10月30日が第9回目の最終回となります。メンバーは、私、D業務本部長、O営業部長、A総務部長、M工事部課長、そして第2工事部のA主任と、タナベ経営の大川常務、千馬(ちば)チーフコンサルタントの8名です。

 最初に取り組んだのが経営理念の刷新でしたが、9月2日の第4回プロジェクト会議で確定し、私から9月第1週の各部門朝礼で説明しました。

 これまでの経営理念は、私が勉強会で学んできたことを土台にして新入社員教育で語ってきた経営に関する私の考え方を、ホームページを立ち上げた際に、経営理念を載せなければいけないだろうと考えて、メモ的にまとめたものでした。
 以下に、刷新前と刷新後の両方の理念を記しますので、見比べ、読み比べてください。

 

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刷 新 前

・ 建設工事を通して世の中の役に立つ(ふるさと富山を発展させる)
・ 人は経費ではなく資源

刷 新 後 ( )の後は理念の解説
1.朝日建設は、建設事業とその関連事業を通して世の中の役に立つ。
そして、ふるさと富山を発展させる。
(1) 世の中の役に立つとは、周りを楽にすることである。
    「働く」=端(周り)を楽にすること。
(2) 建設事業とは物を作ることだけでなく、地域住民の安心・安全を
確保する除雪や災害対応等の活動も含んでいる。
(3) この理念の実現には、継続的な利益が必要である。
※ 建設事業の中には、住宅改修を含む
※ 関連事業の中には、合材製造販売、福祉用具販売・レンタル事業
を含む

2.朝日建設は、人を経費ではなく成長する資源と考える。
(1) 経費とは、減らさなければならないもの。
資源とは、資産として価値を高めていくもの。
(2) 従業員を大切に思い、会社は成長する機会を与える。
1) 成長目標の明確化(キャリア計画、目標管理、人事考課)
2) 人財育成の実施(人間的成長、能力向上、資格取得)
3) ヤル気の出る処遇(賃金体系、福利厚生)を実現する。

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いかがでしょうか。プロジェクト会議では、私が理念にこめた想いを語り、それを当社のメンバーがタナベ経営の助言を得ながら積んだり崩したりして完成させましたが、大きな違いの第一は、1番目、2番目ともに「朝日建設は」と主語を入れ、責任の主体を明確にしたことであり、第二は、2番目で「人は成長する資源」として、社員に限らず全ての「人」に対する見方・考え方を示したことです。そして第三が、読んだ人の理解を深めるために、それぞれの理念に解説(タナベ経営では“翻訳”と言っているが、私は“解説”と改めた)を設け、理念の実現のための方法も示したことです。

手元の電子辞書スーパー大字林には「経営理念とは、企業が経営活動を展開する際に指針となる倫理・信念・信条・理想のこと。その内容は社是・社訓などの形で成文化されていることが多い」と書かれていましたが、私は、経営理念とは、企業あるいは社長がどんな事業を、何を大切に考えて展開するのかを示すものだと思います。そう考えると、社会貢献を謳わない理念は無いでしょうから、どこの会社の経営理念も似たようなものになりがちです。そこに、解説の必要性があるのだと考えます。

10月11日(日)の北日本新聞の2面下段に、当社の創業75周年の広告を掲載しましたが、広告の左上のキャッチフレーズ「社員一人ひとりの成長が会社を成長させ、街を豊かにする。そう信じて、歩みつづけます。」は、経営理念の2番目からきていますし、右下の文章の中ごろにある「私たちは、「建設事業を通して、世の中の役に立つ」という経営理念のもと、ふるさと富山の風土と向き合いながら歩んでまいりました。建設という仕事は、地域と住民を支える安全で快適な生活環境を提供する仕事。ただ橋や道路を造るだけでなく、維持したり、除雪や災害時の復旧など多岐にわたっています。」は、経営理念の1番目からくるものだと気付かれることでしょう。

今回のプロジェクト会議は経営理念の刷新を終え、3年後の平成30年を見据えての経営計画の策定中です。この経営計画は、「営業利益1億円 “1”、売上高20億円 “2”を平成30年 “3”に達成する」として、「VISION 1.2.3」とネーミングしています。数字的には厳しいものがありますが、創業75周年を機に刷新した経営理念を地道に推し進めることで、必ず達成できると信じています。