2015.11.28

読書会

私が世話人代表(支部長のような役目)を務める「新老人の会」富山支部では、今年度の活動として、「新老人の会」の会長である日野原重明先生(現在104歳)の著書「日野原重明 101歳の金言」をテキストに、7月から隔月で読書会を行っています。

 「新老人の会」は、財団法人ライフ・プランニング・センターの理事長として「よく生きる」ことを追求してきた日野原重明先生(現在、一般財団法人聖路加国際メディカルセンター理事長、聖路加国際病院名誉院長)が、シニア世代の新しい生き方を提唱し、この「新老人運動」に賛同する方々の集まりとして、2000年9月に発足しました。

 当支部は2007年(平成19年)3月に設立され、2009年(平成21年)4月から私が世話人代表を務めています。2011年(平成23年)9月のこのコラムで、9月9日に高岡文化ホールにおいて行った“「新老人の会」会長 日野原重明先生 百歳記念講演会「生きがいをもとめて」”の開催の経過を振り返っていますが、この講演会の後に入会者が大きく増えて会員数が88名にまでなりました。しかしその後は退会者が続き、本年10月末現在、全国に10,265名の会員を擁する46支部の中で、当支部の会員数は48名で下から2番目に甘んじています。

 この6年間、私なりに当支部の活動を模索し、会員向けのピアノコンサート、元ファッションモデルで東京本部の会員さんによる講演会「さっそうと歩きましょう」、音楽療法講演会「健康と音楽の力」や、一般公開講座「赤ちゃんに音楽を」(講師:「新老人の会」長野支部世話人代表 中澤弘行さん)を開催しました。また、新潟支部や石川支部が主催した日野原先生の講演会に誘い合わせて参加もしましたが、いずれも単発の活動であり、支部会員相互の結びつきを強めるまでには至りませんでした。

 そんな問題意識から、今年3月に開催した富山支部世話人会で私は、今年度の活動として会員が定期的に参加する茶話会のような催しを行ったらどうかと提案したところ、4月の世話人会で、元中学校の先生の松井さんが、私の提案を発展させた読書会の企画を説明され、その場で7月4日(土)に富山駅の北にあるアーバンプレイス14Fの日本橋「俵屋」で行うことに決めました。テキストは、私が日野原先生に「読書会のテキストは何がよろしいでしょうか」と尋ねた時に答えられた「日野原重明 101歳の金言」とし、「新老人の会」本部に依頼して著者割引で購入しました。

 そして第1回読書会が7月4日(土)に16名の会員の参加で行われ、第1章「自分を輝かせるために」に書かれている5つの文章、「遺伝子を目覚めさせる」、「人生は「吸う」より「吐く」、「人生を10年で区切る」、「リトリートのすすめ」、「いのちの光を与え合う」を、5人の会員で読んだ後、それぞれに感想を述べました。ほとんどの参加者は70歳後半から90歳近くであり、「父親は自分が生れる前に戦死し、世話になった母親は95歳で今も元気。他人との出会いと孫の成長が楽しみ」、「長生きするためにプールに通っている」、「日野原先生のような洗練された文章は書けない」、「本を選択する時の基準は、?表紙、?はじめに、?おわりに(あとがき)です」など、それぞれに味のある感想でした。私は、「今年が会社の創業75周年なので、100周年に向けて、私の現在の年齢68歳を10年区切りで歩みたい」と話しました。

 第2回の読書会は、9月26日(土)に会場を高岡の大野屋に変えて16名の参加で、第2章「健康を維持するために」の「5つの習慣をもつ」、「呼吸は息を吐く」、「うつぶせ寝で疲れ知らず」、「ブロッコリーは長寿野菜」、「歯は健康のもと」を読みました。「小さい頃は痩せっぽちだった。11歳違いの弟をおんぶして通学し、食糧不足で友達におにぎりを分けてもらうなど、辛い思いをした。今は栄養に気をつけ、お宮と地蔵堂の上がり降りをして健康に努めている」や、「毎朝お経をあげているが、途中で切らないように心がけている。お坊さんに長生きする人が多いのは、息を吐くことが多いから」、「うつぶせ寝で腰痛がない」などの感想があり、私は「朝の犬の散歩の時、日野原先生がされているように、吐いて、吐いて、吐いて、吸うことと、うつぶせ寝にトライしてみます」と述べました。その後の散歩では、4回で息を吐き切ってから次に肺一杯に吸っていますが、うつぶせ寝にはなかなか慣れることができません。

 第3回目は、11月14日(土)に再び俵屋で10名の参加で、第3章「悔いのない一生にするために」の、「いのちは巡る」、「いのちを存分に使う」、「朽ちて実を結ぶ」、「死をクリエイトする」、「運命はデザインできる」を読みました。「運命はデザインできる」に共感する人が多かったのですが、この文章で日野原先生は「東日本大震災と福島の原発事故に遭遇した日本が、この災害を受身の運命とせず、復興に向け前向きに、共に歩もう!という想いで、私は「運命をデザインする」という言葉をつくったのです」、そして「新たな運命の芽は、身近な場面にあるものです。あとは、あなたがそれに気づき、どうデザインしていくかなのです」と書いておられます。とても力強く前向きな気持ちに皆さん感服しました。

 毎月のように本部から退会者を知らせるメールが届きガックリしているのですが、新たに始めたこの読書会のお陰で、1ページも読んでいなかった「日野原重明 101歳の金言」を読み始められ、私より年長の先輩方々の話を聞けることは、ずいぶん幸せなことだと思っています。何事もやってみることですね。