2020.11.25

創業80周年を考える

先月のこのコラム「創業80周年に思う」は、「今月は、私の母方の祖父である当社の初代社長林銀蔵が、1940年(昭和15年)10月に高岡で個人経営の巴組を創業してから80周年に当たります。」と書きだしました。

 
 今月は「創業80周年を考える」と題して、80という数字から想起されることを書いてみます。

 
 まず、1940年に創業して今年80周年を迎えた会社が全国にいくつあるか調べたところ、帝国データバンクの調査によると2,705社ありました(下記のグラフ参照)。このグラフで注目したのは、70周年企業が13,651社なのに80周年は2,705社にがくんと減っていることです。71周年から79周年までの各周年の企業数は分かりませんが、多少の凸凹はあっても右肩下がりで減少していることは間違いないと思います。先月号では、この10年間を「経済面でも、失われた20年と言われた2010年代初頭までの日本経済が持ち直しつつあったところに、今またコロナ禍で経済が落ち込んでいて、総じて、良い10年間ではなかったと感じます」と振り返っていますが、この数字を知り、廃業も倒産もせずに10年間経営が続いたのは、当然のことだったのではなく、社員皆で頑張ってきた結果だったのだと思いました。

 
 また、90周年企業数が3,049社、そして100周年企業数が1,176社にも目が注がれました。これも、各周年の間の企業数は分かりませんが、ざっくり言えば、90周年までは持つが100周年となると厳しいということでしょう。参考にしたい数字です。

 
 さて、長寿を祝うのは60歳の還暦からですが、80歳は傘寿(さんじゅ)と言い、傘の字の略字「仐」を分解すると八十となることに由来しています。そして90歳は卒寿(そつじゅ)で、卒の字の略字「卆」が九十と読めることに由来し、99歳は百から一を引くと「白」となることから白寿と言います。そして100歳は100歳であることから百寿(ひゃくじゅ・ももじゅ)です。

 
 次に80年を私個人に当てはめてみると、私が28歳で当社に入ったのは1975年(昭和50年)、創業35周年の年でした。それから45年、結婚し、4人の子ども、そして2人の孫を持つ73とになります。この間いろんなことがありましたが、月並みですがあっという間でした。いろんなことに取り組みましたが、遅まきながら2016年から3年間の中期経営計画を策定し、今年は第2期のVISION2021∼Chance Challenge Change∼の2年目です。この中計の第5期は2028~2030年で最終年の2030年が創業90周年で卒寿となります。傘寿の80周年から卒寿の90周年を経て、百寿の創業100周年までの、中計を繰り返しながら歩む20年間は、AIやDX(デジタルトランスフォーメーション)など目覚ましい進化を遂げるでしょうが、当社がこれらの道具を使いこなしてどのように進化を遂げるか、どんな会社に変わっているのか楽しみです。その時私は、93歳!